【本の紹介】悲しみよこんにちは

  • こんな人におすすめ
  • 明るい本を読む気分ではないかな
  • 海外の作品を読んでみたい
  • 分厚い本は読めない
  • 夏読みたい本が見つからない

ものうさと甘さが胸から離れないこの見知らぬ感情に、
悲しみという重々しくも美しい名前をつけるのを、わたしはためらう――。
海外名作新訳コレクション。解説・小池真理子。南仏の陽光に導かれ、セシルは悲劇への扉を開く。


セシルはもうすぐ18歳。プレイボーイ肌の父レイモン、その恋人エルザと、南仏の海辺の別荘でヴァカンスを過ごすことになる。そこで大学生のシリルとの恋も芽生えるが、父のもうひとりのガールフレンドであるアンヌが合流。父が彼女との再婚に走りはじめたことを察知したセシルは、葛藤の末にある計画を思い立つ……。
20世紀仏文学界が生んだ少女小説の聖典、半世紀を経て新訳成る。【アマゾンHPより引用】

なぜ読み始めた?

この作品は1954年のパリで出版され、なんと作者は18歳のフランソワーズ・サガン。

新潮文庫から河野万里子さんの新訳で出版されていて、200ページに満たない作品だったので、すぐ読めるかな~と軽い気持ちで読み始めた。開いてすぐ右側に作者の写真があり、ショートカットのきれいな女性の姿。

読み進めていくと、奔放な父に振り回されながらも、どこか冷静で楽しんでいる主人公、セシル。セシルを取り巻くのは、父の新しい恋人アンヌ。父に捨てられたエルザ、セシルが恋するシリル。南フランスの海辺の別荘で夏のヴァカンスを過ごすことになるのだが、、、。

感想

ここからは、ネタバレを含むかもしれません。

主人公セシルはアンヌに対する嫉妬、羨望の気持ちがありながらも、その気持ちを素直に彼女にぶつけることはない。この気持ち自体は10代の若者が抱くのは当たり前。だけれどちょっと大人ぶって変なことを企んでしまったため、大変なことになってしまった。

お父さんが大好き、なんだよね。セシル。

子どもを持つ親としては、父の新しい恋人であるアンヌの気持ちもわかる。恋人に一人娘がそれも18歳の多感な時期の子、どう扱っていいのか分からない。統制をとろうとすると反発する。でもダメなことはダメと言わないと将来のこの子が心配なんだよね。アンヌ。

娘の気持ちになったり、お母さんの気持ちになったり、色々なことを考えさせられた。

でも、この作者って18歳でこれを出版したんだよね!すごい(*_*;

18歳のセシルの気持ちは分かっていても、アンヌや父の気持ちがわかるとは、参りました。

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